映画『風の谷のナウシカ』は1984年に公開された劇場版アニメーション。宮崎駿監督が脚本も手掛けた本作はスタジオジブリにとって初めて映画となった作品です。30年以上たった今でも人気が劣れえないそんな本作には魅力的な動物たちがいっぱい出てくるので解説していきます!
動物
キツネリス(テト)
キツネリスは長い尻尾と耳を持っている小型の獣です。テトは大王ヤンマに襲われているところをユパにたまたま救出されました。本来であればキツネリスは人に懐く生物ではなく、警戒心が強いのですがナウシカの優しく慈愛に満ち溢れた性格に惹かれたのか、ナウシカと行動を共にしています。モデルとなったのはフェネックキツネではないかと言われています。
- キツネリスは『天空の城ラピュタ』でも登場
- ナウシカとテトの関係は本作のテーマである「共生」を象徴するものでもある
トリウマ(クイ/カイ)
トリウマはユパが共に旅をしていた動物で高さは人の大きさと同じくらいです。空を飛ぶことはできませんがとても早く走ることが出来ます。作品の中では2匹出てきており「クイ」と「カイ」と呼ばれていました。このモデルとなったのが今は絶滅していますが16世紀末に発見された「ドードー鳥」という飛べない鳥ではないかという噂もあります。
腐海の蟲
蟲は王蟲などの巨大なものからもっと小さいものなど多種多様な大きさや種類が存在します。主に地上や地中で生活している「地蟲」と「管蟲」、羽を持っている「羽蟲」の3種類に大きく分けられ、「地蟲」と「管蟲」の中では水中で活動できる生物もいます。基本的に卵生が多く、全ての蟲に通じる共通点は瘴気がないところでは長くは生きられません。ちなみに「蟲」と表記されているのは腐海に生息する動物の総称で腐海以外で生息する昆虫は「虫」と表記されています。
王蟲
王蟲は蟲の中で最大の大きさを持つ腐海の主であり腐海の王。ダンゴムシなどのワラジムシ目動物を巨大化したような外見をしています。腐海の大木であるムシゴヤシ(タンポポの綿毛や雪のような胞子を出している植物)を好んで食べており、食性は植物と菌だそうです。卵から孵化した幼生はまだ小さいですが脱皮を繰り返して成虫になると体長80mにまで大きく成長します。脱皮した殻は非常に硬く、風の谷のガンシップ(最高時速500kmでる乗り物)や刃物に加工して使用していました。また眼は14個あり、普段は青ですが怒ると赤色に、気絶すると灰色に変化します。口腔内には治癒力がある糸状の触手が存在しており、ナウシカの傷を最後に癒していました。
王蟲の登場シーンでは巨大さと重量感を出すためにグラデーションを付けて絵画的に表現する「ハーモニー処理」が用いられているそうです。また王蟲の鳴き声は布袋寅泰さんによるギターの音が使われました。
大王ヤンマ
大王ヤンマは人の身長と同じくらいの大きさの羽蟲。青緑色の細見の体で動くと「ギギギギッ」と軋むような音を発しています。基本的に群れで行動することが多く、腐海に異変があると真っ先に現れて他の蟲を呼び集めるため「腐海の見張り番」と呼ばれています。
ウシアブ
ウシアブは羽蟲の一種で大きさでいうと牛くらい。脚は8本、羽は4枚あり見た目は少し重そうですが飛ぶことが出来ます。危機を感じると触角を使って仲間を呼ぶという習性があります。映画内では風の谷に落下したトルメキアの艦隊についていましたがナウシカが蟲笛を使って腐海に帰しました。
ヘビケラ
ヘビケラは全長数十mに達するとても大きな羽蟲で脚はなく竜のような動き方をします。その体は平べったく頭部にはクワガタのような鎌状の期間があり、尻尾には剣状の突起があります。ナウシカとアスベルが腐海の底に落ちた理由はこの尻尾にメーヴェ(ナウシカが風を読み、利用しながら乗る乗り物)がひっかかってしまったからです。
ミノネズミ
ミノネズミは地蟲の一種で羽蟲であるヘビケラの幼生です。集団で行動しており外敵に対しては群れで飛び掛かって攻撃をします。映画内では腐海に落ちたアスベルを追いかけており、とびっかかって攻撃しています。
その他
巨神兵
巨神兵は1000年前に産業文明を崩壊させた「火の7日間」で世界を焼き払ったといわれている巨人です。本来はすでに死んでおり化石となっていたはずですがペジテで巨神兵の「卵」を地下から発見しました。クシャナはこの卵を孵化させ、腐海を焼き払おうと考えていました。しかし王蟲の襲撃を食い止めるために早めに孵化させたためビームを二発放った後に絶命しました。
- 巨神兵が腐って絶命した後、王蟲がその近くを通りますが腐敗臭が凄くてさすがの王蟲も避けて通っていたそう
- 巨神兵が孵化し、登場するシーンを描いたのは「エヴァンゲリオン」シリーズの総監督を務めている庵野秀明さん
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