『パラサイト 半地下の家族』の考察・解説|伏線だらけの話題作!

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    ※本記事は映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレ解説の記事になります。まだ未視聴の方はご注意ください。

    『パラサイト 半地下の家族』
    • 2019年公開のブラックコメディ・サスペンス映画
    • 韓国映画初となる第72回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞
    • 第92回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4部門を受賞

    映画『パラサイト 半地下の家族』は韓国映画初となる第72回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。

    そして第92回アカデミー賞で6部門にノミネートされ、作品賞ならびに監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞した話題作である。本作は65年ぶりにアカデミー賞とカンヌ国際映画祭で最高賞を同時受賞したことで知られており、韓国の社会問題となっている”格差社会”をテーマに描かれている。本作は韓国映画に限らず時代的・文化的背景を知識として知っておくことでより一層面白さが倍増する作品となっている。今回は”ネタバレ解説”をしていく記事となっているが、上映期間中はボン・ジュノ監督側からネタバレ禁止令が轢かれている作品であったことを事前に知っておいてもらいたい。なので本作を鑑賞した上で読むことをオススメします。

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    目次

    映画『パラサイト 半地下の家族』の解説・考察

    アジア映画界に新しい風を吹き込んだ映画『パラサイト 半地下の家族』。強烈なビジュアルと怒涛の展開で息を呑むほどのものだったのは私だけではなかったはずだ。韓国では観客動員数1,000万人を突破しており、アメリカでドラマ化が決定しているほど世界各国から注目を浴びている。今回は本作を見た人に向けた考察・解説をしていく。

    『パラサイト 半地下の家族』で描かれるソウルの住宅事情

    『パラサイト 半地下の家族』で描かれるソウルの住宅事情

    出典:https://hbol.jp/215193

    ソウルのロケ地となった忠正路駅近くにある市麻浦(マポ)阿峴洞1区(アヒョンドン)。この奇抜な建築物は1968年の頃、朝鮮人民軍のゲリラ部隊が朴正煕大統領を暗殺しようとソウルに潜入し、青瓦台(せいがだい)の大統領官邸を襲撃した。この襲撃は未遂に終わるが、南北朝鮮の対立は激化。事態の悪化を恐れた韓国政府は建築法を改定し、防空壕や軍事転用のためにソウルの新築建築物に地下階を造ることを義務付けた。

    つまりこれがキム一家の住む”半地下”なのだ。当初は半地下を倉庫などに利用しており、賃貸は禁止していたが80年代の住宅危機で首都の住宅不足が深刻化。これにより政府は半地下の住宅利用を合法化し、地方からの上京者が入居するようになる。(だが、構造上からカビや悪臭の温床、下水の音などの悪条件から家賃が安くなっている。)

    そして”半地下”には人口の2%弱にあたる90万人が暮らしており、若年層の住居者が増えている。その背景には35歳未満の韓国人が年収に対する家賃の割合が約50%に高止まりしており、家賃が高騰化が続くソウルにとって”半地下”に住むことは現実的な選択肢になってしまっているからだ。特に”半地下”に住む低所得者は年収100万円代であり、半地下は54マンウォン(約5万円)で住める。韓国にはサムスンやヒュンダイ、LGなどの十大財閥グループなどのみで富の3/4を生み出しており、そこに就職できれば良いものの韓国で安定した就職先は限られている。そのため、”半地下”に暮らす=社会的マイナスイメージがあるとは言え、お金を節約することなどを考えると”半地下”に住むことはベストな選択となってしまうのだ。

    ちょっと一言

    本作で”半地下”に住むキム一家は全員失業中で内職をしながら食いつないでいる。そのため、映画のような悪臭が立ち込める最悪の部屋に住んでいる。(Wi-Fi環境もなく日も差し込まない自宅。)キム・ギウは”半地下”を出たいと思っており、それには安定した収入源が必要だった。キム一家は”半地下”の住人の中でも底辺にいる存在なのだろう。

    『パラサイト 半地下の家族』のテーマ”格差社会”

    『パラサイト 半地下の家族』のテーマ”格差社会”

    出典:https://twitter.com/Parasite_JP/status/1267657257736527872?s=20

    映画『パラサイト 半地下の家族』のテーマである”格差社会”。これは格差というものをタテの構造で表している。パク一家は有名建築家が建てた豪邸に住む裕福な一家。そしてキム一家は”半地下”に住む低所得者。そのキム一家より更に下の地下室に住むオ・グンセ。ポン・ジュノ監督が以前製作したアメリカの映画『スノーピアサー』も下層の人々が暮らす粗末な車両から高所得者が暮らす贅沢な車両という列車全体を”格差”を表す象徴としたものであり、これも列車という中の横の繋がりで格差を表したものだった。そして『パラサイト 半地下の家族』ではタテの繋がりで格差を表現した。

    劇中ではパク一家に寄生(パラサイト)したキム一家が豪雨により高台から低地へ滝のように流れるシーン。低所得層住む”半地下”を破壊していく雨であり、キム一家を高所得者から低所得者へと現実に戻す雨である。そして高所得者のパク一家は低所得者のニオイなども洗い流す雨だと話している。この豪雨もタテの構造であり、低所得と高所得に明らかな区切り線があることが見えてくる。

    その他にもカメラアングルにも注目してみて欲しい。光と影のような視覚的なモノや上から下へのカメラワークなどで面白いくらいに区切られている。ぜひ、確認してもらいたい。

    パク社長が重んじるラインにも注目!

    パク社長はギテクが演じる運転手に「ラインを超えそうで超えない塩梅が良い」と称賛するシーンがある。これも階級の区切り線があることをわかりやすく示しており、ギテクの臭い=線=階級を超えると捉えられなくもない。前運転手は階級を踏み込んでくることがあったとか…。

    ミニョクが渡した”山水景石”とは?

    ミニョクが渡した”山水景石”とは?

    ”山水景石”はギウの友人ミニョクが突然くれた石。これは金運と学業運をもたらすというもの。ポン・ジュノ監督は「AはBだと特定できない。いろんな側面がある。奇妙な装置をためらいなく書いた。」と語っており、この”山水景石”が奇妙な装置であり多様的な意味があるのかもと思ってしまう。実際、この石は劇中で何度も登場しており重要な場面で映ることが多い。

    山水景石の登場シーン
    • ミミョクが居酒屋でギウにプレゼントしたシーン
    • キム一家の外で用を足している通行人を追い払うシーン
    • 豪雨でキム一家が水没した際にギウが持ち出したシーン
    • ダソンの誕生日パーティーで石を持ったギウが地下室に向かうシーン
    • 石を川へ戻しにいくシーン

    この石はキム一家が貧乏生活を抜け出すきっかけを生み出した石かもしれない。この石はギウの”夢”であり”憧れ”の存在であるエリート大学生ミニョクから渡されたことが大きいと思われ、石は”運”と”幸運”を呼び寄せる力があると言われており、水石=ギウの”夢”と”憧れ”とも見て取れる。この憧れはエリート大学生ミニョクのようになりたいギウ。「お金持ちになりたい!」「今の自分を変えたい!」という願望が詰まった石なのだろう。実際、ギウが勇気や行動を移すときは水石を磨いたり持ち歩いたりしている。だが、豪雨により家が水没したときもギウは水石を持ち出している。ギテクとギウが体育館で話すシーン。

    なんで石をかかえてるんだ?

    こいつがずっと僕から離れないんだ。

    これは石が勇気や財運をもたらしてくれるものであるが、石が離れないのではなく、ギウが離したくないものだったのだ。そしてギウは山水景石が家族に不幸をもたらしたと思っている。

    ごめんなさい。僕が全て責任をとります。

    次の日、ダソンの誕生日に石を持っていき地下に住む家族を殺しに行ったようにも見える。だが、その石は地下に降りるところでギウの手から滑り落ち、逆に地下の家族の手に水石が渡る。結局自分の持ってきた石で頭を殴られ、家族全員が夢見た生活どころか家族を滅ぼす結果になってしまったのだ。

    山水景石はキム一家に幸運をもたらし、そして不幸のきっかけを作った。そしてギウは水石にも寄生(パラサイト)していた。そして最後には石に頼らず自分の力で生きていくことを選択し、石を川に戻したのだ。

    ギウにとって親友ミミョクの存在とは?

    ギウにとって親友ミミョクの存在とは?

    出典:https://twitter.com/Parasite_JP/status/1281518685580955648/photo/1

    ギウの親友ミミョクはギウのなりたかった自分そのものだった。名門大学に通い留学も決まっているミミョクに対し、ギウは4回受験に失敗した受験のプロである。そしてキム一家の前で用を足している通行人に堂々と叱る姿はギウのなりたい姿そのものだった。そして決定打となるのがピンチの時に呟く言葉、「ミミョクならどうする?」だ。そしてミミョクがギウにプレゼントした山水景石はミミョクと重なる点があったのだろう。

    インディアンが表す意味とは?

    インディアンが表す意味とは?

    出典:https://twitter.com/Parasite_JP/status/1267657257736527872/photo/1

    パク社長の息子ダソンは”インディアンごっこ”に夢中なため、劇中でインディアンの格好をしたダソンが登場する。そしてダソンの誕生パーティーではパク社長とキム・ギテクがインディアンの衣装を身につけていた。

    インディアンについて

    まず、インディアンはアメリカ先住民族としてヴァイキングやコロンブスによるアメリカ本土への上陸以前に住んでいた民族であり、侵略されたものとして知られている。現在は白人種や黒人種などの混血が進んでいるが、インディアン=”追い出されたもの”としての象徴であり、インディアンの仮装は”対象の複雑な歴史には無関心かつ装飾としか見ていない価値観”の現れなのである。

    このインディアンという意味を劇中と重ねてみると、元からいた家政婦(地下の住人)が後からきたキム一家(半地下)に追い出される。そしてパク社長とキム・ギテクはインディアンの格好をしたことで表舞台から消え去る運命となる。また、ダソンがインディアンの衣装を身につけているのは一見遊びでやっているように見える。だが、ダヘがギウに話すことが核心的だ。

    ダソンは芸術家コスプレのように”ふり”をしてる。

    これはダソンがインディアンごっこのふりをしているのだ。これはダソンの奇行が演技であり、それを人前で隠していることを意味する。

    モールス信号は受け継がれる

    モールス信号は受け継がれる

    出典:https://twitter.com/Parasite_JP/status/1276356675331428352/photo/1

    モールス信号は劇中で度々登場している。

    モールス信号の登場シーン
    • ダソンとパク社長が会話をするシーン
    • 階段の照明の点滅
    • ギテクがギウヘ伝える手紙

    ダソンは母親のヨンギョの意向によりボーイスカウトに入れられ、モールス信号やボーイスカウトの技術を習っている。ダソンとパク社長は自宅でモールス信号で意思疎通を図ったり、センサーの調子が悪い階段の照明も地下住人のモールス信号だった。地下住人はパク一家に寄生する住人であり、「リスペクト!」とダソンに伝えるものだった。そして最後、モールス信号はキム一家のギテクから息子のギウに繋がる。

    ダソンの描いた絵は誕生日パーティーへの暗示だった

    ダソンの描いた絵は誕生日パーティーへの暗示だった

    パク一家の豪邸に飾られている”ダソン自画像”。芸術的才能があるのではないかと思える絵であるが、実は”幽霊(グンセ)の絵”なのだ。絵には肌黒い男と晴天、テント、矢印が描かれている。これは肌黒い男が要注意人物であることを警告しているように見えなくもない。

    この絵の幽霊(グンセ)は地下に住んでいる男であり、夜中に冷蔵庫を漁っていたダソンが目撃した幽霊だった。それから幽霊がトラウマになっており、”ダソンの自画像”に描かれる。暗闇からヌッと現れる男は大人でも失神レベル。ダソンも男を見た瞬間白目を向いて気絶してしまう。そして誕生パーティーの日、グンセがパーティーに乱入し、まるで”グンセの自画像”の通りの出来事が起こってしまう。

    ゴキブリ・オラウータンから見えるおもしろさ

    パク家がキャンプから帰ってきた後のチュンスクがいうジョークが面白い。

    パク一家が帰ってきたらゴキブリのように逃げるのよ。

    実際、キム一家はパク一家がキャンプに行っている間に宴会をしていた。その後、パク一家が帰ってくると知るとゴキブリのように逃げ隠れる。まさにキム一家=ゴキブリみたいなのだ。

    そしてギウがダソンの絵をオラウータンと間違えてしまい、チュンスクから自画像だと指摘されるシーンがある。この絵に描かれたのは幽霊(グンセ)なのだが、キム一家を脅すシーンでは猿のようにバナナに食らいつき、四つん這いになって階段を登る…まるで動物のようなグンセが登場する。更にはギウが山水景石を落としてしまい、グンセの手に渡ってしまったシーンでは、まるで原始的な方法でギウの頭めがけて石を落とす。”ゴキブリ=キム一家”で”オラウータン=幽霊(グンセ)”と見えてしまうのは私だけだろうか?

    映画冒頭で登場するカマドウマにも注目!

    映画冒頭でテーブルの上にいた虫がカマドウマ(便所コウロギ)である。家の中はカマドウマが増える一方、窓を閉めずに外の消毒を利用するシーンは家族もカマドウマのように消毒されていく。キム家族はむせかえっている中、ギテクだけが黙々と手を動かしていた。ギテクは便所コウロギのように生存能力が高いのか?だからラストに生き残ることができたのか?半地下の家族がゴキブリ扱いされるシーンもあるため、ちょっと考えると面白い見方ができるかもしれない。(少し加えるなら、地下に住む男が地上に上がるシーンも四つん這いで虫のように這い上がってきている。)

    パク夫婦の夜の営みから見える違い

    パク夫婦の夜の営みから見える違い

    豪雨によりキャンプから帰ってきたパク一家。その後、ソファーではパク夫婦の夜の営みが始まりキム一家はソファーの下で身を潜める。パク夫婦は2人が互いの体をまさぐり合い初める。

    ”薬”が欲しい。

    ユン運転手の持っていた”パンティ”があればもっと興奮する。

    表面上は高所得者でジェントルなパク夫婦であるが、所詮ユン運転手や一般人と同じ”人間”だということがわかる。また、地下シェルターにわざわざ映る”コンドーム”は金持ちだろうが貧乏人だろうが”性欲”がある同じ”人間”だということを表している。

    格差社会から見る雨の意味

    豪雨によりキム家が水没してしまうシーンは印象的だ。高いところから低いところへ滝のように流れる雨…”貧困層=半地下の家族”は家を失うほどの災害だった。一方で高所得者のパク夫婦はこの雨を喜ぶのだ。その理由は劇中でも述べられており、大気汚染が雨によって緩和された=空気が綺麗に浄化されたということなのだ。そこに付け加えられるように貧乏人の”匂い”までもが浄化されると述べられている。

    • 高所得者にとっての雨:汚いものや害をなすものを浄化する雨
    • 低所得者にとっての雨:全てを奪いさる雨
    ちょっと一言

    雨を喜ぶ韓国人が多いのは2015年以降に増設された工場の大気汚染やPM2.5が原因であるが、富裕層からしたら半地下に住む人々の”臭い”も流すと思っているのかもしれない。これは劇中だけかもしれないが、少なくも”低所得者の臭いはどの映画でも富裕層が嫌う”ものということを知っておいてもらいたい。

    地下室の男グンセの人生

    地下室の男グンセの人生

    地下室の男グンセは元家政婦のムングァンの夫でパク一家の住む豪邸の地下で暮らす男。そこの暮らしは半地下よりも劣悪な環境下であり、電気は通っているが連絡手段もないし太陽の光も全くない。シェルターだから…と言われたら終わりだが、存在すら知られていない人間であるため半地下に住むキム一家の更に下に住む地下の存在なのだろう。そこには法律も存在しない…。

    グンセが住む地下室には法律関係の書籍が溢れており、国家・司法系資格を取ろうとしていたのだろう。この資格は庶民が成り上がるための一歩になるのだ。だが、見てわかる通り合格もできなかったのだろう。

    そして彼は台湾カステラにも手を出していることが描かれている。この台湾カステラは2016~2017年に韓国で大流行したスイーツの一つでキム・ギテクも手を出していたものだった。一時は台湾カステラ屋で溢れかえっていたが、健康を害する化学物質などを原材料として使用していると報道されてから熱が冷めたように一気にブームが去っていった。このグンセとギテクも台湾カステラに手を出したのは良かったものの、結果として失業に追いやられてしまった。努力してきたが成功しない人間と格差社会の不条理を表すようなカットだった。

    ちょっと豆知識

    キム一家も地下室の男グンテも無職なのに博学だとわかるシーンが散りばめられているが、例えばパク社長の妻ヨンギョや家政婦ムングァンと比べてしまえばキム一家の方がよっぽど有能であるかもしれない。

    実際、韓国の若者の失業率は問題視されており、力を持っていてもそれを活かせる場所が限られている。TOEICのテストでも韓国の平均スコアが673点に対し、日本の平均スコアが520点。これだけ見ても日本が恵まれていることがわかる。

    スペックがあっても就職できないのは十大財閥グループに富が集中している超ハイスペック社会が作られてしまっているからだ。この十大財閥は韓国全体の3/4の富を生み出し、国民総所得の45%を占めている。そこに入れるのは僅か10%。そこにはTOEICスコア900点以上のハイスペックがゴロゴロいる。日本ならば有能な人材として引き抜かれることが多いが韓国ではそうもいかない…。悲しい現実が影に隠れているのが韓国という国なのだ。

    そしてもう一つ映画から見れる韓国の問題点が高齢者の貧困率だろう。韓国の高齢者の貧困率は43.8%とOPCD諸国の中でも突出している。韓国は日本より超高齢者社会であり少子化が日本より進んでいる。劇中では高齢者が多く現れるシーンは少ないが、核家族が増えて若者の生活が厳しいのは伝わってくるだろう。職についても失敗するし…大企業に就職したくても出来ない。富裕層と貧困層の共存・共生が難しくなっていることを世界に伝えたのがボン・ジュノ監督なのだ。地下室の男グンテも法律がない地下という場所で富裕層に寄生するという生き方を選んだのも納得いくかもしれない。

    ギジョンの死とギウの決意|結末

    ギジョンの死とギウの決意

    ギウは親友のミニョクからの紹介で。ギテクは運転手を蹴落として。チュンスクは家政婦を蹴落としてパク一家に寄生(パラサイト)していった。だが、ギジョンだけは自分自身の力でパク一家に認められている。(偽造文書は御手のもの!)そんな彼女だけが皮肉にも殺されてしまう。キム一家の中でも一番才能に溢れていて優しい心を持つギジョンだが、これは有能な人材であっても報われないことを表しているのだろう。

    そしてギテクがギウヘ「無計画こそ一番の計画だ」と言い、計画したところでどうせ無駄だという旨を打ち明けるシーンがある。そして最後には計画を諦めた父に代わりギウが計画を立て続けることになるのだ。ギテクが事業に失敗し続けてきたことでたどり着いた先にあったものは”無計画”だった。そしてラストのギウの計画が難しいことであり、それこそが理想であるが”無計画な計画”に感じてやまない。”無計画=思考停止”させれば幸福を得られるのだろうか?その答えは劇中に提示されていない。ギウは”無計画な計画”を立てたと考えると、成り上がるには”格差”というシステムから抜け出す必要があるということになる。”無計画な計画”というよりも悪あがき…このままでは格差が広がり続けることを伝えているのだろう。

    『パラサイト 半地下の家族』から見えてくる寄生の意味

    出典:https://twitter.com/ParasiteMovie/status/1220477721232330752/photo/1

    本作『パラサイト 半地下の家族』は世界的ヒットと称賛を得た。それは娯楽性と社会性のマッチが絶妙だったことに加え、コメディかつ共感性があったからだろう。その裏には散りばめられた伏線が溢れており、本記事で説明したこと以外にもまだまだ溢れている。予測不可能な展開からじわじわ迫りくる緊迫感と絶望感。本映画はアジア映画の新たな歴史に名を刻んだと言えるだろう。まだ見ていない方も未鑑賞の方も是非繰り返し見て欲しい。新しい気づきがあれば教えてもらいたい…というお願いも添えて。

    今回は以上です。

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