ホークラックス(分霊箱)、魔法の中で最も邪悪な発明なり。
『ハリー・ポッター』シリーズで登場する”分霊箱(ホークラックス)”とは、ヴォルデモート卿のような闇の魔法使いや魔女が不死性を獲得するために自身の魂を切り分けて別の場所に保存するものです。不死能力を得られるというチート能力ですが、”分霊箱”を作る魔法使いは殆どいませんでした。
本記事では”分霊箱”の作り方と破壊方法、そして「なぜ魔法使いたちが不死能力を手に入れようとしなかったのか?」などもまとめて紹介していきます。
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「分霊箱(ホークラック)」の基礎知識を抑えよう!
先ずはヴォルデモート卿が自身の魂の一部を封印し、命を繋ぎ止めるために使っていた”分霊箱”についての基礎知識を抑えていきます。
分霊箱とは?
”分霊箱”は英語で「Horcrux」と呼ばれます。この単語はHorとCruxで区切ることができ、ラテン語で「Horreum(納屋・倉庫)」、「Crucis(苦痛・痛み・拷問)」を合わせた造語となっています。これを組み合わせると「邪悪な器」という意味になります。
ここで『ハリー・ポッター』で登場する”分霊箱”は「魂を分裂する闇の魔術」のことをいいます。詳しく紹介すると、自らの魂を引き裂き魔法機(道具や生物)に納めて保存する魔術なのです。たとえ肉体を滅ぼされたとしても分割された魂が保管された魂が無事であれば死ぬことはなく、肉体も魔法で復活させるというものです。つまり、不死能力を得ることができるのです。そして、より多くの分霊箱を作ることでより不死に近くなるのです。
ですが、デメリットとして複数の”分霊箱”をを作ると作成者の人間性を削ぎ落とし、さらに外見までも歪めてしまうとされています。
そんな”分霊箱”を作成したのは”腐ったハーポ(Herpo the foul)”という人物で、紀元前500年前の古代ギリシアで活躍した魔法使いの1人です。この”腐ったハーポ”という人物は蛇の王と知られる”バジリスク”の最初の飼い主とされています。
分霊箱の作り方|禁断の魔術である理由も納得⁈
”分霊箱”を作成するための方法は1つしかありません。それは”殺人”を犯す…。自分の肉体から魂を切り離す行為は自然の原理に反する行為であり、そのための代償に生贄とする人を殺害する必要があります。
つまり、「人を殺す→魂を分裂させることができる」ということなのです。
分裂した魂を何かに閉じ込めることで”分霊箱”が完成します。この”何か”はなるべく思い入れのあるものが良いとされており、ヴォルデモート卿が作成した7つの分霊箱もトム・リドルに関連あるモノ・生物が”分霊箱”に選ばれています。
分霊箱が創造されると閉じ込められた魂は”分霊箱”自体が傷つかない限り、その魔法使いを不死にすることができます。
分霊箱の破壊方法
分霊箱の破壊方法は大きく分けて2つあります。
- 破壊方法①:強力な魔法特性を持ったモノ
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1つ目の方法は強力な魔法特性を持ったモノで破壊することです。具体的には次のとおりです。
- バジリスクの牙
- グリフィンドールの剣
- 悪霊の火
- ニワトコの杖
- 破壊方法②:引き裂いた魂を元に戻す
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2つ目の方法は引き裂いた魂を元に戻すことです。魂を戻すためには”後悔”が必要であり、この行為は自らを滅ぼすほどの苦痛が伴います。
それでは『ハリー・ポッター』で登場したヴォルデモートが作った7つの分霊箱について解説していきます。
分霊箱①|トム・リドルの日記
作成方法
時期 | 1943年6月13日 |
場所 | ホグワーツ1階女子トイレ |
犠牲者 | 嘆きのマートル |
殺害方法 | スリザリンの蛇 |
破壊方法
時期 | 1993年5月29日 |
場所 | ホグワーツの秘密の部屋 |
破壊者 | ハリー・ポッター |
破壊方法 | バジリスクの牙 |
「トム・リドルの日記(英:T.M. Riddle’s Diary)」はトム・リドルが分霊箱に変えた最初の分霊箱で白紙の日記。これは1943年、トム・リドルがホグワーツ魔法魔術学校5年生だった時、嘆きのマートルを殺害して分霊箱にしました。この日記はヴォルデモート卿が倒れる前、死喰い人ルシウス・マルフォイの手に渡り、後にフローリッシュ・アンド・ブロッツにおいてジニー・ウィーズリーの手荷物に渡りました。
分霊箱②|マールヴォロ・ゴーントの指輪
作成方法
時期 | 1943年8月 |
場所 | リドル邸 |
犠牲者 | トム・リドル・シニア |
殺害方法 | モーフィン・ゴーントの杖による殺害 |
破壊方法
時期 | 1996年7月 |
場所 | ホグワーツ校長室 |
破壊者 | アルバス・ダンブルドア |
破壊方法 | グリフィンドールの剣 |
「マールヴォロ・ゴーントの指輪(英:Marvolo Gaunt’s Ring)」は、カドマス・ペベレルとサラザール・スリザリンの子孫にあたる家系ゴーント家の家宝。指輪には「死の秘宝」の1つである「蘇りの石」(死んでしまった人を生き返らすことができる石)がはめ込まれています。この指輪はトム・リドルが自らの伯父にあたる魔法使いモーフィン・ゴーントから奪い、リドル家殺害の罪をなすりつけるまで何世紀にもわたってゴーント家に受け継がれていました。そして、トム・リドルは父であるトム・リドル・シニアを生贄にして分霊箱に作り替えました。
分霊箱③|サラザール・スリザリンのロケット
作成方法
時期 | 1945年以降 |
場所 | 不明 |
犠牲者 | マグルの浮浪者 |
殺害方法 | トム・リドルによるマグル殺害 |
破壊方法
時期 | 1997年12月28日 |
場所 | ディーンの森 |
破壊者 | ロン・ウィーズリー |
破壊方法 | グリフィンドールの剣 |
「サラザール・スリザリンのロケット(英:Slytherin’s Locket)」は、ホグワーツ魔法魔術学校の創始者の1人であるサラザール・スリザリンが所有していた自身を象徴するロケット。トム・リドルの祖父であるマールヴォロ・ゴーントが所有していたもので、「ロケット」と「指輪」を純血の証として大切にしていましたが、マールヴォロ・ゴーントが魔法省の役人を襲ったことでアズカバン送りになった際、トム・リドルの母親メローピーがロケットを盗み、「カラクタカス・バークス」に売り払ってしまいました。そして、貴重な遺品を収集している魔女ヘプシパ・スミスがバークスの店でロケットを購入。20世紀中頃、トム・リドルの手に渡り、その2日後マグルの旅行者を殺害し、ロケットを分霊箱に作り替えました。
分霊箱④|ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ
作成方法
時期 | 1946年以降 |
場所 | ヘプシバ・スミスの家 |
犠牲者 | ヘプシバ・スミス |
殺害方法 | トム・リドルによるヘプシバ殺害 |
破壊方法
時期 | 1998年5月2日 |
場所 | ホグワーツの秘密の部屋 |
破壊者 | ハーマイオニー・グレンジャー |
破壊方法 | バジリスクの牙 |
「ヘルガ・ハッフルパフのカップ(英:Hufflepuff’s Cup)」は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の1人であるヘルガ・ハッフルパフが所有していたアイテム。ヘルガ・ハッフルパフの死後、カップはヴォルデモート卿に盗まれるまでは子孫に受け継がれ続け、ヘプシバ・スミスを生贄にして分霊箱をに作り替えました。分霊箱となった後は、グレンゴッツ魔法銀行のレストレンジ家の金庫に隠されています。
分霊箱⑤|ロウェナ・レイブンクローの髪飾り
作成方法
時期 | 1946年以降 |
場所 | アルバニア |
犠牲者 | アルバニアの農民 |
殺害方法 | トム・リドルによるアルバニアの農民殺害 |
破壊方法
時期 | 1998年5月2日 |
場所 | ホグワーツ必要の部屋 |
破壊者 | ビンセット・クラッブ |
破壊方法 | 悪霊の火 |
「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り(英:Ravenclaw’s Diadem)」は、ホグワーツ魔法魔術学校の1人であるロウェナ・レイブンクローが作成したアイテム。レイブンクローの失われたダイアデムという名でも知られるロウェナ・レイブンクローの遺品であり、トム・リドルが「秘密の部屋」に動かすまではアルバニアの森の中に何世紀も隠されていました。
原作では「必要の部屋」に髪飾りを探しに行ったロンとハーマイオニーの跡をつけていたドラコ・ゴイル・クラップとのバトルでクラップが放った死の呪文「悪霊の火」で破壊されました。一方、映画ではハリーがバジリスクの牙によって破壊されています。
分霊箱⑥|ナギニ
作成方法
時期 | 1994年夏 |
場所 | アルバニア |
犠牲者 | バーサ・ジョーキンス |
殺害方法 | 不明 |
破壊方法
時期 | 1998年5月2日 |
場所 | ホグワーツ入り口の階段 |
破壊者 | ネビル・ロングボトム |
破壊方法 | グリフィンドールの剣 |
「ナギニ(英:Nagini)」はインドネシアに生まれた女性で、血の呪いによって蛇に変身できる能力を持って生まれました。1927年代から「摩訶不思議サーカス」の奇形&半端者ショーに人間から蛇に変身できる見せ物とされていましたが、その後サーカスを抜け、クリーデンスと共に行動するようになりました。現時点でヴォルデモート卿のペットになった経緯は明かされていませんが、1994年にはヴォルデモートと出会っており、魔法省の役人バーサ・ジョーキンズを殺害して分霊箱にされたと思われます。
分霊箱⑧|ハリー・ポッター自身
作成方法
時期 | 1981年10月31日 |
場所 | ゴドリックの谷 |
生贄 | ハリーにかけた死の呪い |
破壊方法
時期 | 1998年5月2日 |
場所 | ホグワーツ入り口の階段 |
破壊者 | ネビル・ロングボトム |
破壊方法 | グリフィンドールの剣 |
ハリー・ポッターは1981年の1才の頃、ヴォルデモート卿に命を狙われた際にリリーの「愛の力」で魔法が跳ね返ったことで魂が砕け、その一部がハリーの中に宿りました。元々は分霊箱を6つ作成する予定でしたが、予期せず7つ目の分霊箱となってしまったのです。それに気づいたハリーは最後の決闘でヴォルデモート卿自身が放った死の魔法により、ハリーの中の分霊箱が破壊されました。
分霊箱に注意してシリーズを振り返ろう|まとめ
今回は『ハリー・ポッター』に登場した7つの分霊箱について紹介しました。映画では詳しく説明されていませんでしたが、”分霊箱”はヴォルデモート卿を強くしたのは明らかです。ですが、最終的にはハリーたちに敗れている点から見ても明らかな弱点にもなっているのです。つまり、結局ヴォルデモート卿は死を恐れるあまり、死に飲み込まれてしまったのです。
映画でも重要な7つの分霊箱に注意して「ハリー・ポッター」シリーズを振り返ってみてはいかがですか?
今回は以上です。
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